犬の狂犬病を知る
致死率100%のもっとも恐ろしい感染症
狂犬病の症状
狂犬病は人間と動物に共通する急性のウイルセ感染症です。
この感染症は、病気を発病している犬に咬まれてから、普通は約2~6週間の潜伏期間を経て発病します。
潜伏期間の違いは、咬まれた個所や感染したときの狂犬病ウイルスの数などが違うからです。
狂犬病は狂躁型(きょうそうがた)と沈鬱型(ちんうつがた)の2つに分けられます。
狂躁型とは狂犬病の中でも80%を占めます。狂犬病の名前の由来もここから来ています。
症状は狂暴性を帯びるもので、動くものには何でも咬みつきます。
発症後、初めの数日間は前駆期として不安、挙動の異常、食欲不振などが現れます。
前駆期を過ぎると狂乱状態となり、異常なくらいに吠え、徘徊し、動くものには咬みつきます。
この狂乱状態は3~4日続きます。
これを過ぎるとマヒ期に入ります。
犬は口を大きくあけ、大量のよだれをたらし、全身に麻痺の症状が現れます。
この症状から衰弱し死亡します。死にいたるまでの期間は5~7日間です。
一方、沈鬱型は短い前駆期からすぐにマヒ期に進行します。
早い場合は1日、一般的には2~4日で死亡します。
狂犬病の原因
狂犬病ウイルスの感染が原因です。
ウイルスは発病している犬の唾液に含まれます。
このウイルスに感染した唾液が傷口などから体内に侵入し、感染します。
狂犬病ウイルスは自然界においては人間をはじめとするすべての哺乳動物に感染します。
狂犬病の予防・診断・治療
診断
狂犬病の疑いのある場合は狂暴性があり咬まれる可能性がある為に、生きているうちの確定診断は困難です。
犬を隔離し感染しない体制をとります。
狂暴性とマヒ期について観察し診断を行います。
3週間以上症状が進行しなければ狂犬病は否定されます。
治療
狂犬病は治療の対象となる病気ではないために、治療は行いません。
狂犬病と診断された場合は安楽死させることになります。
狂犬病の予防としては狂犬病予防法により生後3か月以上の犬は必ず保健所に登録を行い、毎年1回は狂犬病ウイルスの予防接種を受ける事が義務づけられています。